PM手法/ビジネス編

PMやディレクターなど管理職に必要な資質3選

    IT業界で一番不足しているのではないかと思う「PM(プロジェクトマネージャー)」や「ディレクター」。これらの職が常に不足していると言われるのは技術や経験以外に、事業に対する理解や費用対効果といった「ビジネスの経験」や、性格や感性といった「人間性」が関係している影響もあると思います。

    今回はPMやディレクターなど管理職に必要であると考える資質について書いてみます。

    まず初めに

    IT業界におけるPMやディレクターに必要な資質を考えるにあたり、まず基本的な知識や経験が幅広くあることは大前提となります。例えばエンジニア出身だとしても、「デザインについてはわからない」「マーケティングやSEOの知識は皆無」といった状態では、PMやディレクターとして仕事をすることは難しいです。

    そのため、PMやディレクターを目指すにはまず、ホームページ制作やシステム開発、それらの運用やマーケティングなど、浅くとも幅広い知見が必要になることを認識しておく必要があります。

    また、クライアントとの窓口を任されたり、チームをまとめる立場になることで、単なる「作業者」ではなく、ビジネスを動かす人材としての価値が求められます。クライアントのビジネスモデルに対する理解や、エンドユーザーのペルソナを理解するといったことが、システムやホームページの設計に大きく影響します。

    「人間関係」について

    PMやディレクターは、技術的なスキル以上に人間関係の構築力が問われます。信頼関係の有無がプロジェクトの成否を左右すると言っても過言ではありません。

    クライアント

    クライアントとの信頼構築は最優先です。ただ、要望を聞いて「はい」と言うのではなく、本質的な課題を聞き出し、必要に応じてNOを伝えられる関係性が重要です。信頼があれば、納期調整や予算交渉にも柔軟な対応が期待できます。

    また、クライアントのビジネスモデルや業界動向への理解があると、ただの外注先ではなくビジネスパートナーといった扱いとなり、より長い関係値を続けられるようになるでしょう。

    ステークホルダー

    プロジェクトには、営業、マーケティング、法務など様々なステークホルダーが関与します。彼らの立場や目線を理解し、情報を適切に整理・共有できる力が必要です。

    すべての関係者にとって「納得感」のある進行管理を行うことが、混乱や摩擦の予防に繋がります。

    エンドユーザー

    エンドユーザーは最終的なサービスの利用者です。例えばECサイト構築であればECサイトで購入してくれる顧客、業務管理システムの開発であれば日々の管理業務を入力する社員、などが該当します。

    エンドユーザーの視点を持ち、エンドユーザーの声をどれだけプロジェクトに反映できるかは、PMやディレクターとしての腕の見せ所です。顧客や操作する人の視点を考慮したユーザーテストや、レビューのフィードバックを積極的に取り入れる姿勢が、プロダクトの品質を高め、クライアントの満足度にもつながります。

    「コミュニケーション」について

    管理職に必要なスキルの中でも、コミュニケーション能力は最も基本かつ重要な資質です。特にフリーランスという立場では、「伝える力」がそのまま「信頼の厚み」へと直結します。

    対クライアント

    定例会や進捗報告、障害時の連絡など、クライアントとのやりとりでは誠実さと迅速さが評価されます。
    一方で、専門用語を避けて、クライアントのリテラシーに合わせたわかりやすい説明力も重要です。クライアントに「この人に任せておけば大丈夫」と思ってもらえるかが、継続案件につながります。

    対エンジニア

    エンジニアとのやりとりでは、要件の明確化優先順位付けが欠かせません。「何をいつまでに、なぜ実装するのか」を共通理解できていなければ、開発の無駄が発生します。

    特に業務に直結するようなシステム開発の場合、エンジニアに業務フローを理解してもらうことも重要です。業務フローを理解してもらうことで、実装中に「この業務フローであれば設計に矛盾があるかもしれない」といった気付きに繋がる場合があります。

    また、PMやディレクター自身が開発現場での実務経験がある場合、言語やフレームワーク等の知識をもとに言語化して伝えられると非常に有利です。

    対デザイナー

    デザイナーとの協業では、見た目やユーザー体験といった非機能的要素への理解が必要です。「このレイアウトでユーザーがどう感じるか」を言語化し、デザインの意図とビジネスゴールの橋渡しを行う役割が求められます。

    特にUI設計は、エンドユーザーが迷いなく操作するために重要な要素です。利用者のペルソナ(年代、性別、地域性など)を具体的に想定し、デザイナーと方向性を一致させながらUI設計を進めるようにしましょう。

    「クロージング」について

    PMやディレクターの最終的な使命は、プロジェクトを納期内・予算内・期待値通りに完了させること。いわゆる「三大制約(スコープ・コスト・タイム)」の管理が求められます。

    納期

    スケジュール遅延は信頼の喪失に直結します。タスクごとの工数見積の精度を上げ、遅れそうな場合は事前にアラートを出し、クライアントと調整を図る必要があります。また、余裕のあるスケジュール設計(バッファ設定)も重要です。

    他にも納期に対して忘れてはいけないこととして、「クライアントによる確認及び受入テストの期間」と、「フィードバックがあった際の修正期間」を考慮しておく、ということがあります。修正対応によって別のタスクが遅れてしまったりしないよう、予めこれらを考慮しながらスケジュールを設計しましょう。

    予算

    工数の増加や仕様変更によってコストが膨らむのはよくあることです。フリーランスの立場では特に、収益性を保ちつつ、クライアントとの予算感覚のずれをなくす説明力が重要です。

    追加費用の発生時は、初期の見積や要件定義、前提条件が重要になります。流れで追加対応を初期費用内で飲み込むのではなく、事前合意・証跡・再見積のフローを徹底し、予算を確保して頂きながら対応させて頂くよう心がけましょう。

    工数

    メンバーの工数配分や稼働状況を把握し、リソースが逼迫しないように調整することもPMの役割です。適切な人材配置や、必要に応じた外部パートナーの活用も視野に入れ、柔軟な対応力が求められます。

    自律と責任感

    フリーランスPMにとって、自律的に動ける力と、結果に責任を持つ覚悟は不可欠です。会社という後ろ盾がない分、自分の判断がプロジェクトの成否を左右します。

    「分からないから上司に確認」ではなく、「自分で調べ・判断し・結果を出す」ことが求められます。

    まとめ

    フリーランスとしてIT業界でPMやディレクターを目指す場合、以下の3つの資質が不可欠です。

    1. 良好な人間関係の構築力:信頼される存在になる

    2. 的確なコミュニケーション力:情報の橋渡しができる

    3. 確実なクロージング力:納期・予算・品質を守る

    加えて、自律と責任感を持ってプロジェクトを推進できれば、あなたは単なる外注先ではなく、クライアントにとっての「頼れる右腕」になれるはずです。

    今後のキャリアアップに向けて、まずは1つずつスキルを磨いていきましょう。

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